(社)京都府栄養士会地域活動部会
坂下 みゆき
こんにちは! 京都の坂下です。
私の住む京都は観光地として超メジャーな街です。千二百年以上にわたり脈々と受け継がれてきた歴史と独自の文化、工芸や京料理などがあります。最近ちょっとした話題を呼んでいるのが、京都嵐山からトロッコ列車で20分の亀岡で、国内で唯一栽培されているハバネロ(激辛唐辛子)です。四季折々を通してこれらに触れることにより、新しい発見や感動に出会えると思います。
是非、京都へおこしやす!
栄養士としての地域での活動は、私も、基本的に個人活動が中心です。料理教室や保健所の手伝い、電話栄養相談、あるいは、イベントの手伝い等、食に関することは何でも…の毎日です。
今回は、個人活動ではなく、私たちが所属する京都府栄養士会の中で組織活動として成果を挙げている事業と昨年特定保健指導のモデルとして取り組んだものをご紹介します。
「健康づくりアドバイス(栄養相談)事業」について
京都府の委託事業で、府保健福祉部薬務室、日本赤十字社京都府支部血液センター、京都府栄養士会の3者が協力して京都府内の大学生を対象に平成16年度から取り組んでいます。
本事業は、各大学で献血が行われるとき、この献血会場で、採血できなかった方、また、健康や食事に関心のある方を対象にパソコンによる食事診断や食生活チェックシートを使って栄養相談を行うというものです。
「食事診断システム」は京都府栄養士会が開発、監修したものです。24時間思い出し方式で食生活を料理写真で選択し、摂取栄養量やバランス点、問題点等がグラフで見られるもので、前日の食事や嗜好品、間食などを本人から聞きながら入力し、不足している食品群や摂ることが望ましい食品等の簡便な料理法のアドバイスなども入れながら相談を行います。食生活チェックシートは15項目の設問をチェックし、点数で自分の問題点に気づいてもらうもので、簡易で生活習慣に関心を持ってもらえます。
参加した学生は、献血という社会貢献、助け合いの気持ちを持ち、健康や食にも関心があると思われていましたが、現実には低比重者が多く、特に、女子では半数近くに見られ、また、食事バランスの悪さも目立ちました。特に1人暮らしの学生は、生活も不規則になりがち。エネルギーは気にするが栄養的知識は乏しくバランスが大きく崩れているなどの問題点が多く見られました。体調不良を訴える学生も多く、当日の指導にとどまらず、今後継続的に指導のできる場づくりや食事管理の意識づけなどが課題となります。
学生の側からは、「こんな機会が欲しかった、よかった」「今後フォロー指導を受けたい」との声が聞かれました。
次世代を担う青年層の健康づくりは重要な課題であると考え、全世代における食育の重要性を感じました。
献血は、大学の主体事業とはなっていないのですが、この相談の結果を各大学に還元し、学生の生活指導・保健事業の取り組みの参考として活用していただくことを府と共に検討しているところです。大学、行政、血液センター、栄養士会が連携して、青年層の健康づくり対策を推進し、献血の場を「自分の健康は自分で守る、その健康をチェックする機会」として位置づけることを提案したいと考えています。京都府栄養士会では、大学生の食生活状況を踏まえて簡便なメニュー、コンビニ食材の利用法などの大学生用食育パンフレットを次回に向けて作成中です。
この事業を通して若い世代の食生活の状況や価値観に触れ、改めて食育の必要性を痛感しています。また、今年度からメタボリックシンドロームの概念をとりいれた特定健診・保健指導が始まっておりますが、この生活習慣病予防対策はこの若者世代からこそが重要であると感じます。
この事業参加メンバーとなって、病院勤務の会員や福祉に携わる会員などからのアドバイスは私にとっては非常に良い経験になりました。1人では出来ない組織的な取り組み、個人の知識では思いつかない内容、仲間と共に活動することのすばらしさも学びました。また、事業の成果も大きく、目に見える形で学生からの反応を受けることによる喜びも学びました。何より継続して事業が進められることは、目標があり、やりがいがあることだと感じています。
特定健診、特定保健指導モデル事業の取り組み
今年度から始められた特定健診、特定保健指導事業を見据え、平成19年度にT企業健康保険組合と京都府栄養士会が協力し、特定保健指導モデル事業に取組みました。私も、保健指導従事者研修会を終了してこのモデル事業に従事する機会を得ました。事業内容は、平成18年度事業所定期健診、人間ドック受診者の中からBMIが25以上で19年度も本社勤務であるものを対象にリストアップし、24名中同意を得た18名を対象とし、積極的な支援を6ヶ月間行うというものでした。企業における効果的な保健指導の進め方、実践方法を研究し、効果的なシステムの構築を検討しました。
期間は平成19年6月~12月。
①保健指導
生活改善に関する意識調査。
個別面談。
メール及び手紙による支援。
② ミニ講演会の設置
③ 情報媒体の掲示
職場の健康づくり意識の高揚を図るため、健康増進、食生活改善に関する情報をポスター等で従業員に提供しました。
結果として対象者の89%に改善が見られました。
事業はプログラムに従って実施されましたが、初めての試みであり戸惑いや連絡の不具合など指導者側にも色々解決するべき課題が見つかりました。特定の疾患を持っていない方への指導の難しさと、何が出来るのか、何を願っているのか、何をしたいのかなど、個人の課題や意識度も様々なため、面談時間内での消化の難しさが挙げられました。また、受診者側の業務の都合(面談当日、会社の出張が入って空振り)など思わぬこともあり、勤務時間内での面談設定調整の難しさもありました。個人情報の関係で面談室の設定なども研究すべき課題として残りました。
今年度から本格的に事業の取り組みをすることになりますが、保健指導事業は、「多くの関係者の連携が必要であり、支援の場面を担当する者だけで事業が成り立つものではない。」ということを学びました。
~ 終わりに ~
今回は、「健康づくりアドバイス(栄養相談事業)」、「保健指導モデル事業」を取り上げてみました。このように、地域活動部会に所属している私達栄養士は、栄養士会の事業に参画し、自分の持っている知識、情報を充分に出し合い、他の職域の仲間と関わり、諸先輩栄養士からの助言もいただき、個人活動では得られない活動を大切にしています。以前のように協議会の中だけにとどまらず、大きな組織に入り込むことでより自分も磨かれ、やりがいを見つけることが出来るのが部会制のよいところだと思います。今後は、このような組織が一丸となる活動も大切ではないかと思います。
皆さんのご意見をお待ちしています。