【消費者庁】食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会報告書
2016/12/19
ニュースのポイント
- インターネット販売画面やカタログ紙面は、食品表示基準の規制は及ばないが、ラベルの義務表示事項は消費者の選択に役立つ重要な情報
- インターネット販売画面での食品表示に係る情報提供の状況は、義務表示事項と同等の情報を提供している(55.6%)、義務表示事項の一部の情報を提供している(29.3%)、特に提供していない(15.1%)
- 食品表示に係る情報提供に適切に取り組んでいる事業者が消費者から選択されることにより、事業者の更なる取り組みの促進につながる
消費者庁は、12月13日(火)に「食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会報告書」を公表した。
「食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会」(以下「懇談会」という。)は、消費者がより快適な環境下でインターネット販売を利用できるよう、消費者に必要な情報の内容およびその提供方法、事業者にとって実行可能性のある情報提供の促進のための方策について、幅広く検討することを目的に開催された。
日本栄養士会の迫専務理事は、懇談会の委員(座長代理)を務めている。
懇談会開催の背景には、食品表示法(平成25年法律第70号)の規制範囲がある。同法が平成27(2015)年4月1日に施行され、表示内容の質・量ともにこれまで以上に充実した食品表示制度が始まったが、表示義務となっている事項の情報をインターネット販売画面やカタログ紙面で提供することについて、規制は及んでいない。
しかし、購入時に食品自体が遠隔地にあり、消費者が手に取ってそのラベル表示を確認して食品を購入することができない場合であっても、食品表示法の目的(*)は、尊重されるべき理念であることから、懇談会で情報提供の在り方を検討してきた。
*食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保
今回の報告書は、消費者のニーズと事業者の現状の把握について実態調査を行った上で議論されたものを、食品のインターネット販売における①情報提供の在り方、②望まれる事業者の自主的な取り組み、③消費者への普及・啓発を提言としてまとめたもの。
特に、①については、「事業者は、消費者が購入時に食品の義務表示事項と同等の情報の内容を確認できるような環境を整備することを目標としつつ、段階的に情報提供の取り組みを推進・拡大することが望まれる」と取りまとめられた。
今後、情報提供に適切に取り組んでいる事業者が消費者から選択されることにより、事業者の更なる取り組みの促進につながると考えられる。
より適切な情報提供を行う事業者が増えるよう、管理栄養士・栄養士も広く消費者へ周知を行うことが重要。