世界のキーワードは「持続可能な食」、国際栄養士会議がスペインで開催!
2016/09/21
2016(平成28)年9月7日(水)~10日(土)に、スペイン・アンダルシア地方のグラナダにあるグラナダ会議センター(Granada Exhibition and Conference Centre)において、第17回国際栄養士会議(The 17th International Congress of Dietetics:以下、ICD2016)が開催されました。
ICD2016学会場
開会式では、今回のテーマ "Going to sustainable eating!(持続可能な食を!)" に沿って、Giuseppe Russolilio学会長が提案し、自らも出演した映画『SustainablEating』が上映され、大きな反響を呼びました。この映画は「何をどのように食べるかにより世界を変えることができる」というメッセージのもと、農業など様々な産業の立場からは安全な食品を生産・提供すること、そして管理栄養士の立場からは安全な食材を使用することの重要性を提起し、食料廃棄の現状について警鐘を鳴らすものです。ICD2016終了後、管理栄養士・栄養士への啓発を目的として、各国の栄養士会に配布される予定です。
また、sustainableな環境を目指した取り組みとしてのペーパーレス、すなわちプログラムおよび抄録集は印刷せず、会場内のWi-fiを活用してスマートフォンまたはパソコン上で閲覧という試みも取り入れられました。
プログラムは、「世界の食習慣と管理栄養士・栄養士の役割」、「現場における職業倫理」、「栄養学における研究開発」、「管理栄養士・栄養士の社会変革」、「多文化共生」の5つの介入エリア(intervention areas)を主軸として、ラウンドテーブル、シンポジウム、ワークショップ、講演で構成されました。54ヵ国から867演題が提出され、国別の演題数はスペイン、カナダ、オーストラリアに次いで日本が4番目に多かったことが報告されました。採択された537演題のうち、69演題(うち日本からは5演題)は口演発表として選ばれ、468演題はポスター発表として選ばれました。
開会式にて、Giuseppe Russolilio学会長
ICDA理事に、小松会長が就任!
ICDは国際栄養士連盟(International Confederation of Dietetic Association: ICDA)の運営により4年毎に開催されています。ICD2016に先立って、9月6日(火)にICDA代表者定例特別会議が開催され、(公社)日本栄養士会からは木戸康博学術研究事業部長と三好美紀国際交流委員が出席しました。同会議をもって、2012~2016年の理事(Directors)の任期終了と同時に、2016~2020年の理事選出が承認され、(公社)日本栄養士会の小松龍史会長が理事として就任することが決定しました。他の理事は、Judith Rodriguez, nominated(米国)、Carole Middleton, nominated(英国)、Elizabeth Solis(メキシコ)、Marsha Sharp(カナダ)、Giuseppe Russolillo(スペイン)、Sheela Krishnaswamy(インド)であり、このうちMarsha Sharpが理事の代表となりました。
ICD2024の開催国は、カナダに決定!
ICDA代表者定例特別会議において、ICD2024の開催候補国であるブラジルとカナダの代表者より開催計画に関するプレゼンテーションが行われ、投票によってカナダに決定しました。日程は2024年6月4日~8日または6月11日~15日で調整が行われます。
カナダ栄養士会によるプレゼンテーション
次回のICD2020は、2020年9月16日~18日に南アフリカ共和国・ケープタウンで "Improving Nutrition・Unlocking Potential・Accelerating Change(栄養の改善・潜在力の解放・変化の加速)"をテーマとして開催される予定であり、今回の閉会式の最後にMaryke Gallagher学会長による紹介プレゼンテーションが行われました。現在、同国では4,463人の管理栄養士がおり、今後の養成にも力を入れているところです。2020年は東京オリンピック・パラリンピックを満喫した後、アフリカ大陸の最南西端の喜望峰を始めとする大自然と歴史の魅力あふれるケープタウンに出かけてみませんか?
次回ICD2020はケープタウンへ!