キャリア形成の極意がここに! 動画で見る、2つの教育制度の活用術が公開
2021/12/23
「わかる」から「できる」、そして、 "求められる"専門職を目指して
どの仕事でも、実際に仕事をしながらその分野の学びを深めていく「OJT(On the Job Training)」、は大切であり、基本です。言うまでもなく、管理栄養士・栄養士も、資格試験を受けて資格を取得できたらそれで万全であるということはありません。
働いていて仕事に行き詰ったり、何か違うなと感じたとき、職場変更や仕事自体を辞めたりする手立てもあります。しかし、行き詰まりや違和感を過ぎのステップへの通過地点を考え、新たな知識やスキル習得を通して自身で学びを深めることで、その不安や悩みが解消されるケースが多くあります。「OJT」は、理想の自分を作り上げていく楽しい気付きや学びの継続と考えることもできます。
(公社)日本栄養士会では、管理栄養士・栄養士の皆さんの「OJT」を支え、皆さんの望むキャリアを作っていくために、生涯教育制度を設けています。その中で今回、紹介するのは2つです。1つは、管理栄養士・栄養士の道を歩き始めたばかりでこれから生涯教育を受けてみようと考えている方に向けて。もう1つは自身が極めていきたい分野が明確になってきた管理栄養士に向けて。1つずつ紹介していきます。
●生涯教育制度と専門管理栄養士について動画で見る
「わかった」が「できる!」に、生涯教育制度を活用して仕事をより楽しく!
管理栄養士・栄養士という国家資格を取得したのですから、まずは「国民のために役立てる能力」を身につけることが大切です。インターネットの普及によって情報があふれる社会では、栄養に関する何かを読んで「なるほど、わかった」と思う機会がたくさんあります。しかし、それを仕事という実践の場で「できる」かどうかは別の話。
(公社)日本栄養士会の生涯教育は、管理栄養士・栄養士の養成校を卒業したあとすぐにスタートさせることができます。もちろん、卒業後の時間が経過してしまっていても問題ありません。生涯教育では、基本研修として養成校のおさらいを、実務研修としてご自身の現場や興味のある分野を学ぶことができます。働きながら、並行して学びなおすことで、基礎知識や技術が身についてきます。働きながら学び続けることで、「わかった」が「できる!」機会が増え、仕事がますます楽しくなっていきます。
5年ほど経つと、職場で後輩やほかのスタッフのお手本となり、自身が指導する役目も増えてきます。生涯教育では、医療や学校など管理栄養士・栄養士が働く職域に特化した専門知識を身につけるための実務研修も用意していますので、興味のある分野に応じた専門性もさらに高めていくことができます。
実務研修は、臨床栄養、学校栄養、健康・スポーツ栄養、給食管理、公衆栄養、地域栄養、福祉栄養(高齢・障がい)、福祉栄養(児童)の8つがあります。所定の単位を取得し、認定審査を受けることで、それぞれの分野の「認定管理栄養士」、「認定栄養士」と認定されます。自分で研鑽していくだけでなく、認定制度を利用して自分の力を試してみること、評価を受けることも自信につながります。
専門性を極めて"求められる"管理栄養士に
認定管理栄養士・認定栄養士に認定され、さらに実績をつみ、専門研修を受けていくことで、「専門管理栄養士」の資格を取得することができます。(公社)日本栄養士会では平成25(2013)年度より、厚生労働省の委託を受けて、管理栄養士専門分野別育成事業を実施しています。
専門管理栄養士は、関連学会と共同して認定しており、現在、次の5つがあります。これらの分野の専門性をより高めていくことは、管理栄養士が必要な時に必要な支援を行うことができる社会を作る一歩であると大いに期待されています。
・がん病態栄養専門管理栄養士(日本病態栄養学会と共同認定)
・腎臓病病態栄養専門管理栄養士(日本病態栄養学会と共同認定)
・糖尿病病態栄養専門管理栄養士(日本病態栄養学会と共同認定)
・摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士(日本摂食嚥下リハビリテーション学会と共同認定)
・在宅栄養専門管理栄養士(日本在宅栄養管理学会と共同認定)
1人でも多くの管理栄養士が卓越した技術と知識を習得して、より複雑で解決が難しい栄養課題にも果敢に取り組めるようになります。さらには、その専門性を教育や研究にも活かすことで、社会に"求められる"管理栄養士を実現することができます。その結果、管理栄養士の社会的評価は、みなさん自身の評価を高めることにもつながります。すでに延べ1,187人(2019年度末現在)が専門管理栄養士となって、活躍しています。皆さんもぜひ、挑戦してみてください。