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【栄養の日・栄養週間 2023】認定NPO法人カタリバと連携、家庭の事情で困難を抱える10代を栄養と食で応援

 認定NPO法人カタリバ(以下、カタリバ)では、10代を取り巻くさまざまな課題に対して、こどもたちに多様な出会いと学びの機会を届け、すべての10代が意欲と創造性を育める社会を作りだすための活動に取り組んでいます。
 今回、日本栄養士会では、格差のなかにある栄養と食の問題に対して、「栄養の日・栄養週間」を通じて、解決に向けてカタリバの活動を支援していくこととなりました。現在、「栄養ワンダー・オンライン」を通じたドネーション(寄付)企画、「スマイル・リンク・プロジェクト」を8月31日(木)まで実施しています。どなたでもご参加できますので、ぜひご注目ください。

■「スマイル・リンク・プロジェクト」へのご参加&詳細はこちら

 カタリバは、さまざまな困難を抱える10代を支援している団体で、どんな環境に生まれ育ったこどもでも、未来をつくりだす意欲と創造性を育めるように活動しています。10代が抱える食の課題や現場のニーズについてお話を伺うため、都内にある活動拠点の1つにおじゃまし、カタリバの野口さん、上野さん、柳本さんにお話を伺いました。

20230801_1.jpg左:認定NPO法人カタリバ 野口さん、中:認定NPO法人カタリバ食支援担当 上野さん、右:認定NPO法人カタリバ拠点スタッフ 柳本さん

―カタリバの活動について教えてください
 日本の10代は他国の同世代と比較して自己肯定感が低い傾向があるという調査結果があり、さらに生まれ育った環境によって、未来に夢や希望を抱けない、あるいは諦めざるを得ないといったこどももいます。カタリバは、すべての10代が意欲と創造性を育めるように、全国6つの拠点とオンラインを活用して、年間約8.5万人のこどもたちに、学びの場や安心できる居場所を届けています。

 本拠点では、家庭の事情で困難を抱えている10代のために、学習の場や食事を提供するほか、地域の人たちと連携してさまざまな体験イベントを実施しています。利用は中学生が中心で、平日の放課後に立ち寄ったり、夏休みなどの長期休暇中は朝から夜まで1日中過ごしたり、こどもたちにとって心の安心安全が守られる居場所になっています。

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―どのような食事提供を行っているのでしょうか
 平日は夕食のみ、日曜と長期休暇中は給食がないので、昼食と夕食の提供を行っています。昼食は12時、夕食は平日の場合18時半、長期休暇中は17時半としています。時間を決めているのは、みんなで一緒に食べることを大切にしているためです、そして時間や約束を守れる人になってほしいという思いからです。こどもたちからは「夕食の時間が早すぎる」という声もありますが(笑)、食後気分が悪くなったり、アレルギーが出たりするリスクを考えて、食後も様子をみられるように閉館時間から逆算して時間を設定しています。

―調理はどなたが担当されているのでしょうか
 調理ボランティアとこどもが一緒に調理します。全体で6~7人の調理ボランティアがいますが、1回の調理では2人くらいの方に担当してもらいます。調理ボランティアは一般募集していて、学生や主婦のほか、地域のこども食堂で調理を担当されていた方、働きながらボランティア活動もしたいという方など、さまざまな背景の方に支援いただいています。

―食材はどのように調達しているのでしょうか
 ご寄付等での購入のほか、地域の飲食店、自治体、卒業生など、多方面から米、乾麺、肉、野菜、果物などさまざまな食材も提供していただいています。
 魚は予算の面もあって調達しにくいこと、また好き嫌いが分かれる食材でもあり、現状ではあまり提供できていません。朝食を食べないこどもは多く、シリアル食品や冷凍パンなどを自宅での朝食用に渡すこともあります。

―どのようなメニューを提供しているのでしょうか
 主食、主菜、副菜、汁物を基本としています。人気があるのはやはり、カレーライスや唐揚げ、パスタですね。1回に15人前くらいを作りますが、日によりこどもの数が違うので、ハンバーグなど提供数が限定されるものよりも、シチューなどみんなで取り分けられるメニューの方が多くなってしまいます。3日に1回同じメニューが出てきたり、カレーライス、ドライカレー、ハヤシライスなど似たようなメニュー続くこともあります。提供する献立については改善していきたいと考えています。

―食提供に関して改善していきたいことは何でしょうか
 スタッフは栄養の専門的な知識があるわけではないので、10代の成長期に大事な栄養素などを学びたいです。知識があると、こどもたちにも食の大切さを自信をもって伝えられると思います。
 また、高校生になると学校で食べるお昼ごはんがお弁当になるなど、自分で食事を選択する場面が増えてくると思います。中学生のうちにできるだけ栄養の知識を身につけたり、調理の経験を積んだりして、健康に生きていくためには、今何を食べればいいのかということを自分で考えられる人になってほしいと願っており、そのための取組をしていきたいと思っています。

野口さん、上野さん、柳本さん、お時間いただき、ありがとうございました

 日本栄養士会では、国内外に存在する栄養課題の解決に向けて、今後カタリバと協力、管理栄養士・栄養士の職能を生かしたこどもたちの支援について考えていきたいと思います。

■「栄養の日・栄養週間 2023」特設サイトを見る
■「スマイル・リンク・プロジェクト」へのご参加&詳細はこちら

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