【開催報告】【研究教育】平成28年度全国研究教育栄養士研修会/栄養士が目標達成のために組織を動かす~すぐに取り組みたい3つの話
2017/06/30
レポート:山梨学院短期大学 中川裕子
平成29(2017)年1月7日(土)、静岡県立大学で研究教育事業部の全国研修会が開催された。3名の講師をお招きし、当日は72人が参加した有意義な研修会となった。幅広い視野を持って栄養士として活動に取組むためには、資格のキャリアアップを目指して、自己研鑽を重ねることが大切で、日本栄養士会はそのステージを支援し、多くの食育活動、研修会、生涯学習、事業部活動などを行っている。多くの人々や会員に興味関心を深めて頂きたいと思う。
○特別講演「第3次食育推進基本計画」を踏まえた食育の推進について
/農林水産省消費・安全局消費者行政・食育課食育計画班 前課長補佐 米倉礼子先生
第2次食育推進基本計画の最終評価から、11目標のうち達成した指標は2指標であり、栄養バランス等に配慮した食生活を送っている国民の割合、及び農林漁業を経験した国民の割合について改善が見られたとの報告があった。この結果を踏まえ、平成28年度~32年度までの5ヵ年計画で、第3次食育推進基本計画は、重点課題を5項目(①若い世代を中心とした食育の推進 ②多様な暮らしに対応した食育の推進 ③健康寿命の延伸につながる食育の推進 ④食の循環や環境を意識した食育の推進 ⑤食文化の継承に向けた食育の推進) を掲げて取組が行われるという。
目標達成のためには、管理栄養士、栄養士が一丸となって、これら食育実践の軸となり、子どもから高齢者まで生涯を通じた、食育の輪を広げる役割を担うことが重要であることを、参加者の一人として感じた。管理栄養士・栄養士は生涯にわたる食の営みの中で、食べ物の循環を意識し、健康寿命の延伸につながる健全な食生活を支え、地域とつながる場を構築し、国民一人ひとりに寄り添える食育活動を展開していきたいと考える。
○講演「組織の構築と組織を動かすための人材育成」 /甲南大学経営学部教授 北居明先生
組織における問題志向は、「何が問題か」を議論することであるが、容易に「誰が問題か」にすり替わり、人間関係を円滑に保てない場合が多い。一方、解決志向は、すでに問題が解決した状況を設定し、その状況に近づけるよう模索する方法で、組織によい循環を生み出す。お互いの価値を認め合い、ミスのない組織を目指すのではなく、ミスに気づいたら仲間がフォローできるような、社会環境づくりを目指した人材育成が必要であることを確認した。
○講演「人をひきつける引き算の経営」 /静岡県立大学経営情報学部教授 岩崎邦彦先生
人をひきつけるためには、あれもこれも多数の利点を強調するより、「引き算」 によって『引力』を高めることが重要である。なぜ、アップルにデジタルカメラがないのか? なぜ、スターバックスにホットドッグがないのか? いずれも、 何かを引くことによって、「引力」を高めている。では、どうすれば「引き算」 に成功することができるのか。本講演では、企業が「いかに引き算をし、いかに価値を引き出し、いかに人を引き付けるのか」を検討した。
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