【お知らせ】2020年度診療報酬改定に向け、厚生労働省へ要望書を提出
2019/07/31
公益社団法人日本栄養士会(代表理事会長:中村丁次)は6月27日(木)に、厚生労働省保険局長・医療課長へ、「2020年度社会保障制度(診療報酬)の改定に係る要望書」を提出しました。
我が国においては、高齢化が急速に進展する中で、健康寿命の延伸と人生100年時代を見据えた社会の実現が求められ、国民一人ひとりの健康づくりや疾病の発症予防と重症化予防がますます重要となります。このため、住み慣れた地域で適切な医療や介護を安心して受けられる社会の構築が必須であり、地域包括ケアシステムの一層の推進を図る必要があります。
このような中、喫緊の課題として生活習慣病の増加、低栄養、フレイル対策等があげられ、健康づくりや疾病の発症予防・重症化予防対策の推進にあたっては、適切な栄養・食事管理は必要不可欠であります。さらに、質の高い医療を推進するためには、適切な栄養・食事管理は治療の根幹であることから、社会保障制度(診療報酬)について、次の事項を要望しました。
【要望事項】
Ⅰ. 地域包括ケアシステムの実現に向け、入院から在宅医療へシームレスな栄養管理、栄養食事指導体制の実現に向けた評価の充実
1. 地域包括ケアシステム実現の推進
1-1. 回復期リハビリテーション病棟における管理栄養士の適正な配置
1-2. 入退院支援センターにおける管理栄養士業務の評価
1-3. 退院前における訪問指導に関わる管理栄養士の評価
1-4. 栄養ケア・ステーションの活用と評価
Ⅱ. 新しいニーズに対応し、安心・安全で納得できる医療体制の構築・充実を図るための入院医療における管理栄養士の活用に対する評価
1. 患者一人ひとりの栄養管理の向上と更なる推進
1-1. 入院基本料等における栄養管理体制の基準の見直し
2. 新しいニーズにも対応でき、質の高い医療の提供
2-1. がん領域における専門管理栄養士の活用と評価
Ⅲ. 医療従事者の負担軽減及び働き方改革の推進への評価の充実
1. チーム医療に対する管理栄養士介入による患者個々に対する栄養食事管理に対する評価
2. 結核病棟及び精神科病棟における栄養サポートチーム(NST)の介入に対する評価
Ⅳ. 効率化、適正化を通じた制度の安定性、持続可能性の向上推進のために、食事療養費に対する適正評価の実現
1. 食事療養費の適正な評価
左から、原純也理事(医療職域担当)、中村丁次会長、厚生労働省樽見英樹保険局長