【厚生労働省】「子どもの食事に困りごとあり」約8割の保護者~乳幼児栄養調査~
2016/08/29
ニュースのポイント
- 朝食を必ず食べる子どもの割合は、93.3%
- 食物アレルギーの原因(と思われる)食物の除去や制限をしたことがある保護者(23.6%)のうち、42.1%は医師の指示ではなかった
- 食物の摂取頻度をみると、経済的な暮らし向きにおいて、有意な差がみられた項目が多かった
厚生労働省は平成28(2016)年8月24日、平成27年度「乳幼児栄養調査」の結果(概要版)を公表した。乳幼児栄養調査は昭和60(1985)年から10年ごとに実施されているもので、全国の乳幼児の栄養方法や食事の状況などの実態を把握し、授乳と離乳の支援、食生活の改善のための基礎資料とすることを目的としている。今回は全国の6歳未満の子どもがいる2,992世帯から協力を得て、3,871人について集計された。
授乳期の栄養については、10年前、20年前に比べ母乳栄養の割合が40%未満から54.7%(生後3か月)に増加した。授乳について困ったことがある人は77.8%に上り、母乳が足りているのかわからない、授乳が負担・大変などの声が多かった。離乳食に関する困りごとでは、作るのが負担・大変(33.5%)が最も多く、保健所・市町村保健センター(67.5%)で教わる以外は、育児雑誌(41.3%)やインターネット(27.8%)などで独自に学ぶ人が多いことがわかった。
また、2~6歳児の保護者が子どもの食事で困っている割合は約8割で、食べるのに時間がかかると回答した人が3割程度で最も多い結果となった。食事で特に気をつけていることとしては、栄養バランス(72.0%)、一緒に食べること(69.5%)、食事のマナー(67.0%)の順だった。
食物アレルギーに関する調査では、食事が原因と思われるアレルギー症状を起こしたことがある者の割合が14.8%であったが、そのうちの11.2%は医療機関を受診しておらず、保護者の母親などの家族に相談したりインターネットなどで対処方法を探したりしていた。
社会経済的要因別にみると、暮らし向きに「ゆとりあり」の世帯の子どもは魚、大豆・大豆製品、野菜、果物の摂取頻度が高い傾向がみられ、菓子パン、カップ麺などは暮らし向きに「ゆとりなし」の場合に摂取頻度が高い傾向がみられた。
離乳食を学べる機会では、保健所・市町村センターが67.5%で一番多かったが、全体をとおして子どもの食事に負担や困りごとを抱えている保護者は多く存在し、管理栄養士・栄養士の支援が期待される。