【厚生労働省】平成27年「国民健康・栄養調査」の結果を発表
2016/11/18
ニュースのポイント
- 20~30歳代女性が60歳代以上よりたんぱく質、食物繊維などの摂取が少ない
- 就寝前の携帯やメールが睡眠の妨げ、20歳代女性の3割
- 肥満者の男性3割、20歳代女性のやせ2割、低栄養傾向の高齢者に介入必要
厚生労働省は平成27(2015)年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果をまとめ、発表した。平成27年調査では、毎年実施している基本項目に、栄養バランスのとれた食事を食べているか、外食・持ち帰り弁当・惣菜の利用頻度、栄養成分表示への関心、運動ができる場所の有無、適正な休養の確保、受動喫煙の状況、地域とのつながりの7点を重点項目として加えて調査し、社会環境の整備状況を把握した。
主食・主菜・副菜を組み合わせた、いわゆる栄養バランスのとれた食事を1日に2回以上食べることが「ほとんど毎日」の割合は男女とも約50%。男性では20~40歳代、女性では20歳代で4割以下となっている。ほとんど毎日食べていない人のなかで主食・主菜・副菜のうち組み合わせて食べられていないものは「副菜」が多く、男女とも4人に3人が副菜を食べていない。また、組み合わせて食べられていない人ほど、炭水化物、たんぱく質、野菜の摂取状況が食事摂取基準などで目標とされる量に届いていないこと、特に20~30歳代女性でたんぱく質、カルシウム、食物繊維、ナトリウムなどの摂取量が60歳以上に比べて少ない傾向であることもわかった。休養の確保については、睡眠確保の妨げとなっているものは男性30~40歳代で「仕事」が4割程度、20歳代女性で「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」が33.3%、30歳代女性で「育児」32.7%、40歳代女性で「家事」27.9%と最も高かった。また、50歳代以上では「健康状態」を挙げる人が増え、高齢になると健康状態の改善が睡眠の確保に必要であることがわかった。
基本項目では、肥満者(BMI≧25kg/m2)の割合は男性29.5%、女性19.2%。一方、20歳代女性のやせ(BMI<18.5kg/m2)の割合は22.3%。低栄養傾向(BMI≦20 kg/m2)の割合は75~79歳で16.0%、80~84歳で20.2%、85歳以上では29.1%と年齢が上がるにつれて高くなり、管理栄養士・栄養士の介入が期待される。食塩摂取量の平均値は10.0gで、この10年間でみると有意に減少しているが、健康日本21(第2次)の目標値8gには到達できていない。野菜摂取量は男性299.4g、女性288.7gで、こちらも健康日本21(第2次)の目標値350gの到達には遠い。目標値に達しているのは60歳代が4割程度と高く、20歳代が最も低く男性22.7%、女性18.4%だった。朝食の欠食状況や、運動・歩数、睡眠、飲酒、喫煙、歯と口腔の健康に関する状況の結果も合わせて、管理栄養士・栄養士は調査結果のすべてに目をとおしておきたい。
平成27年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省)