【厚生労働省】中小規模も確認を!「大量調理施設衛生管理マニュアル」を改正
2017/07/07
ニュースのポイント
- 調理従事者は毎日、作業開始前に健康状態を衛生管理者に報告
- 10~3月は月1回以上、ノロウイルスの検便検査を
- 産業医などから定期的に健康管理の指導や助言を受けること
6月16日、厚生労働省は昨年の食中毒発生状況から、調理従事者等の健康状態の確認の重要性などを踏まえ、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を改正し発表した。今回の主な改正点は下記のとおり。
原材料の受け入れや下処理段階での管理については、施設で加熱せずに喫食する食品(牛乳やプリンなど容器に包装され殺菌された食品を除く)は、乾物や摂取量が少ない食品も含めて、製造加工業者の衛生管理体制についても資料などを取り寄せて確認するとともに、業者の従事者の健康チェックやノロウイルス対策が適切に行われているかも確認する旨が追加された。また、高齢者や抵抗力の弱い者を対象とした施設では、野菜や果物(表皮を除去する場合を除く)を加熱せずに供する場合には殺菌を行うことと明記された。
調理従事者の衛生管理については、調理従事者は毎日作業開始前に自らの健康状態を衛生管理者に報告すること、衛生管理者はその結果を記録することが新規に追加され、10~3月までの間には月1回以上または必要に応じてノロウイルスの検便検査に努めることが記載された。さらに、ノロウイルスの病原体保有者であることが判明した調理従事者等は無症状であっても、検便検査でノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる作業を控えるなどの適切な措置を講じることが望ましいと明記された。
施設の衛生管理全般については、従来は施設に所属する医師や薬剤師などの専門的な知識を有する者の指導や助言を定期的に受けることとされていたが、今回は、施設内に限らず専門的な知識を有する者からの指導や助言を受けることと変更され、さらに、従事者の健康管理について労働安全衛生法等関係法令に基づいて、産業医などから定期的な指導や助言を受けることと追加された。
このマニュアルは"大量調理施設"と明記されているが、中規模、小規模の調理施設においても、食中毒防止にはこのマニュアルの趣旨を踏まえた衛生管理を徹底する必要がある。