【食品安全委員会】ジャガイモによる食中毒、原因と対処法
2017/10/04
ニュースのポイント
- 原因は、アルカロイドと呼ばれる有害成分を多く食べること
- 有害成分は、ジャガイモの発芽部や緑色の皮の部分に多く含まれている
- このあと、11月~2月は注意が必要
身近な食材であるジャガイモで、毎年のように全国で食中毒が起きている。
ジャガイモの食中毒は、発芽部や緑色の皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニン等のアルカロイド(ステロイド系アルカロイド配糖体)と呼ばれる有害成分を多く食べることによって起こる。
食中毒の発生時期は6~9月、11~2月で、特に7月が多い。症状は、おう吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、意識障害、けいれん、呼吸困難などで、ひどい場合には死に至ることもある。早いときは数分後から症状が出始め、遅いときは数日後に出ることもある。
体重が50kgのおとなの場合、中毒量は50mg、子ども場合は15.6mg~40mgとされる。通常のジャガイモの可食部分には、100gあたり平均7.5mgのソラニンやチャコニンが含まれており、そのうち3~8割は皮の周辺にある。光にあたって緑色になったところは、100gあたり100mg以上のソラニンやチャコニンが含まれていると言われている。
店で販売されているジャガイモに、食中毒を起こすほどの量のソラニン等が含まれていることはまずないが、自家栽培の未成熟で小さなジャガイモや、日光が当たって皮の部分が緑色になってしまったジャガイモは、ソラニン等の含有量が多くなっている可能性が高く、注意が必要だ。またソラニンやチャコニンは熱によって分解しないので、ゆでてもその量は減らない。
安全に食べるためのポイントや注意事項に気を配り、食中毒を防ぐことが大切である。
<安全に食べるためのポイント>
・芽が出ていたり緑色になっていたりするところがあるジャガイモは、買わない。
・ジャガイモは、暗くて涼しい場所に保管する。
・買ったジャガイモ、収穫したジャガイモは、長期間保存しないで、早めに食べる。
・ジャガイモに芽や緑色のところがあったら、皮を厚めにむいて取り除く。
・未熟な小型のイモを多量に食べない(特に皮ごと食べるのは避ける)。
<学校菜園や家庭菜園で栽培する場合の注意>
・ジャガイモが地面から外に出ないよう、きちんと土寄せをする。
・十分に熟して大きくなったジャガイモを収穫する。
・収穫するときは、ジャガイモに傷を付けないようにする。
・収穫したジャガイモは、暗くて涼しい場所に保管し、日光にあてないようにする。
・収穫したジャガイモは、早めに食べる。
光にあたって緑色になった部分には、有害成分が多く含まれる
■(食品安全委員会)【読み物版】生活の中の食品安全 -ジャガイモによる食中毒について知ろう!-その1
■(食品安全委員会)【読み物版】生活の中の食品安全 -ジャガイモによる食中毒について知ろう!-その2
■ (食品安全委員会)季刊誌 食品安全 第51号(キッズボックス)(PDF)
■ (食品安全委員会)「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等Q&A(IV-15 ジャガイモに含まれるソラニン)
■(農林水産省)食品中のソラニン、チャコニンに関する情報