【厚生労働省】赤ちゃんの死亡原因第3位、乳幼児突然死症候群を減らすには?
2017/11/02
ニュースのポイント
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)は乳児期の死亡原因の第3位
- 平成28(2016)年は前年より13人多い109人がSIDSで亡くなった
- あおむけ寝、母乳、禁煙がSIDSの発症率を下げるポイント
睡眠中の乳幼児が何の予兆や既往歴もないまま死に至ってしまう原因不明の病気である乳幼児突然死症候群(SIDS)。平成28(2016)年には、平成27(2015)年より13人多い109人の赤ちゃんがSIDSで亡くなり、乳児期の死亡原因の第3位だった。
冬季に発症する傾向が高いことから、厚生労働省では平成11(1999)年度より毎年11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間としている。SIDSによる死亡者数は当時に比べて年々右肩下がりに減少しているものの、SIDSに対する社会的な関心を高めるため、SIDSの発症率を低くするポイントなどの重点的な普及活動を実施している。
SIDSの予防法は確立していないが、下記の3点においては発症率が下がるというデータがあり、厚生労働省では全国的に注意を呼びかけている。
(1)1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
(2)できるだけ母乳で育てましょう
(3)たばこをやめましょう
SIDSは、うつぶせ・あおむけのどちらでも発症するが、研究者の調査によりうつぶせに寝かせたときのほうがSIDSの発症率が高いことが明らかになっている。あおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけの両方の寝返りができるようになった赤ちゃんは、大人が適宜あおむけの姿勢に戻す必要はないとされているが、眠り始めるときにはあおむけの姿勢にすること、寝返りをしたときに備えて赤ちゃんの周囲にやわらかい寝具等を置かないようにすることが重要である。また、母乳育児はさまざまな点から推奨されているが、研究者の調査により母乳で育てられている赤ちゃんのほうがSIDSの発症率が低いという結果が出ている。
たばこはSIDS発症の大きな危険因子とされる。妊娠中の喫煙は胎児の体重が増えにくくなり、呼吸中枢の成長にも影響を及ぼすことから、妊娠中および赤ちゃんの周囲での喫煙は控える必要がある。厚生労働省ホームページから啓発用のリーフレット等のダウンロードができるので活用しよう。