【厚生労働省】標準的な健診・保健指導プログラム平成30年版を公表
2018/02/26
ニュースのポイント
- 特定健診・特定保健指導に関わる管理栄養士が理解しておくべき基本的な考え方を明記
- 保健指導実施者としての管理栄養士に求められる能力は8項目
- あわせて、健診・保健指導担当者の 資質向上推進事業実施要綱の通知文も発出
平成20(2008)年より実施されている、内臓脂肪の蓄積に起因した生活習慣病に関する健康診査(以下、特定健診)と、特定健診の結果により健康の保持増進に努める必要がある者に対する保健指導(以下、特定保健指導)。この特定健診と特定保健指導の実施は保険者の義務とされているが、とりわけ特定保健指導の実施率は伸び悩んでいる。厚生労働省は、生活習慣病有病者・予備群の減少と、中長期的な医療費の伸びの適正化を図る政策を推し進めるため、「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年版】」を作成し、公表した。
このプログラムは、高齢者の医療の確保に関する法律(以下、高確法)に基づく特定健診・特定保健指導を中心に、健康増進法に基づく生活習慣病対策を推進するための効果的な健診・保健指導を実施するにあたり、事務担当者を含む健診・保健指導に関わる者(医師、保健師、管理栄養士等)が理解しておくべき基本的な考え方や、実施する際の留意点等が示されている。
ページ数は資料等を合わせて400ページ近くにもなるが、(1)標準的な健診・保健指導プログラムの考え方、(2)健診、(3)保健指導、(4)体制・基盤整備、総合評価に章立てされている。中には、医師、保健師、管理栄養士等の「健診・保健指導実施者に求められる能力」が挙げられており、健診結果と生活習慣の関連を説明でき行動変容に結びつけられる能力、対象者との信頼関係を構築できる能力、個人の生活と環境を総合的にアセスメントする能力のほか、学習教材を開発する能力や必要な社会資源を活用する能力も求められている。
また、このプログラムにあわせて、「メタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導担当者の資質向上推進事業実施要項」も発出された。
管理栄養士は、それぞれ健診、保健指導もしくは体制を整備するマネジメントのどの立場にあっても、このプログラムから健診・保健指導の全体像を知り自らの業務に反映させる必要がある。また、健診や保健指導に直接かかわらない管理栄養士・栄養士であっても、特定健診・特定保健指導がメタボリックシンドロームに着目している意義を知り、身近にいる特定健診・特定保健指導対象者に受診をうながし行動変容につながるような声かけ等をして、社会保障制度を持続可能なものとするために貢献していきたい。
標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】(厚生労働省)
メタボリックシンドロームに着目した健診・保健指導担当者の資質向上推進事業の実施について(通知文)