【厚生労働省】平成29年「国民健康・栄養調査」の結果を発表
2018/09/20
ニュースのポイント
- 高齢者の栄養状態について初めて把握された
- 20~50歳代女性のやせが課題、とくに20歳代では5人に1人がやせに該当
- 睡眠で休養が十分にとれていない者は増加傾向、特に40歳代に課題あり
厚生労働省は平成29(2017)年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果概要をまとめ、発表した。平成29年の調査では高齢者の健康・生活習慣の状況を重点項目として、高齢者の筋肉量や生活の様子に関しても初めて調査が実施された。
65歳以上の低栄養傾向(BMI≦20)の者の割合は16.4%であり、この10年で有意な増減はみられないものの、性・年齢階級別にみると80歳以上は約2割が低栄養傾向にあった。また、目標とするBMIの範囲内にある高齢者の割合は、男性では5割を超えるが、女性70歳以上は4割を下回る結果となった。
高齢者の筋肉量や生活の様子についての調査では、筋肉量の状況はたんぱく質摂取量が多く肉体労働の時間が長い者ほど有意に増加する、週1回以上の外出がない人は、ある人と比べて低栄養傾向の者が多いなどの結果が出ている。
高齢者の健康づくりには、食事のみならず、日ごろの活動や生活状況もふまえた対応が重要であることがうかがえる。高齢者の健康・生活習慣の状況については、栄養素等摂取量、体格、四肢の筋肉量、生活の様子、歯・口腔の健康と様々な視点でデータが出ているので必見である。
成人女性のやせ(BMI<18.5)の割合は10.3%であった。特に20歳代では21.9%が該当と、約5人に1人がやせに該当する結果となっている。朝食の欠食率においても20代は男女ともに欠食率が高い結果であり、20代女性は23.6%が欠食している。
睡眠の状況は1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は男女ともに40歳代で最も高く、それぞれ48.5%、52.4%であった。また、睡眠で休養が十分にとれていないと回答した者の割合は20.2%であり、40歳代で最も高く30.9%であった。