【農林水産省】「平成30年度食育白書」公表される
2019/06/19
ニュースのポイント
- 「平成30年度食育推進施策」(平成30年度食育白書)が公開
- 21項目のうち、「地域等で共食したいと思う人が共食する割合」など5項目は目標を達成した
- 一方、「朝食を欠食する子供の割合」など、改善がみられていない項目もある
農林水産省は6月4日(火)、平成30年(2018)度に全国で講じられた食育を推進するための施策についてまとめた「平成30年度食育推進施策」(平成30年度食育白書)を公表した。
2020年度まで「第3次食育推進基本計画」をもとに食育の施策が進められているが、その基本的な方針として(1)若い世代を中心とした食育の推進、(2)多様な暮らしに対応した食育の推進、(3)健康寿命の延伸につながる食育の推進、(4)食の循環や環境を意識した食育の推進、(5)食文化の継承に向けた食育の推進、の5つが重点課題となっている。
今回の食育白書は第1部:食育推進施策をめぐる状況、第2部:食育推進施策の具体的取組、第3部:食育推進施策の目標と現状に関する評価の3部構成である。第1部の特集では、基本的方針の1つである「健康寿命の延伸につながる食育の推進」がまとめられている。 2020年度の達成を目指した食育推進施策の目標のうち「地域等で共食したいと思う人が共食する割合」、「中学校における学校給食実施率」、「食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業の登録数」、「地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承している若い世代の割合」、「食品の安全性について基礎的な知識を持ち、自ら判断する若い世代の割合」は、既に目標を達成した。
しかし、朝食を欠食する子供の割合(目標値:0%)は第3次基本計画作成時の値(2015年度)4.4%から5.5%に増加、朝食を欠食する若い世代の割合(目標値:15%以下)は24.7%から26.9%へ増加など、改善がみられていない項目もある。
本白書でも紹介されているが、2018年12月SDGs推進本部が決定した「SDGsアクションプラン2019」において、SDGs実施指針の優先課題「あらゆる人々の活躍の推進」の中には「食育の推進」が位置付けられた。今後、食育に関する取り組みの推進がさらに進むことが考えらる。
※SDGs:「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標
農林水産省のホームページでは「平成30年度食育白書」の全文が公表されている。食育に関するコラムや事例など管理栄養士・栄養士業務の参考にもなる情報も紹介されている。6月の食育月間にあたって、ぜひ一読されたい。