【厚生労働省】新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う生活の変化を踏まえた生活困窮世帯に対する栄養・食生活支援の推進について
2021/10/05
ニュースのポイント
- 厚生労働省は令和2年度に実施した栄養・食生活に関する調査研究において、世帯所得が少ない集団で、栄養・食生活の状況に課題が生じている可能性を示唆
- 新型コロナウイルス感染症の影響による生活の変化が与える社会経済的に不利な立場の人々への健康問題への懸念
- 栄養格差の縮小に向けて、各所の連携による支援が必要であり、管理栄養士・栄養士の介入も大いに期待
厚生労働省は、2021年9月8日(水)、令和2年度に実施した栄養・食生活に関する調査研究に基づき、コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う生活の変化を踏まえた生活困窮世帯に対する栄養・食生活支援の推進について、通知した。
今回の調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛や新しい生活様式の適用等によって、国民の栄養・食生活の状況が変化している可能性があることから実施された。その結果、所得が低い群では高い群に比較して、感染拡大前よりも緊急事態宣言後で、食事を作る時間や心の余裕が少なくなり、食材や食事を選んで買う経済的余裕が少なくなったとの回答割合が多かったことが確認された。
健康日本21(第二次)において、人々の健康は社会経済的状況の影響を受け、社会経済的に不利な立場の人々に健康問題が生じやすい可能性が指摘されている。今回の調査結果ではその懸念が示唆された。
生活困窮世帯等においては、適切な食習慣や運動習慣、生活習慣が確立されていないことから、子どもの健康面に影響を及ぼすといった問題が生じることがある。新型コロナウイルス感染症の影響による休校・外出自粛等により在宅時間が長くなり、特に生活習慣が乱れがちな中においては、食事を通じた生活習慣の維持・形成が重要である。
このような栄養格差の縮小に向けては、厚生労働省内の部局連携はさることながら、自治体各部局の連携も重要である。地域の実情を把握した上で、栄養・食生活に対する支援を推進することが求められている。またこの支援においては、地域で活動する管理栄養士・栄養士等の協力も欠かすことはできない。食事を準備する保護者に知識やスキルがあれば、バランスのとれた食事を摂ることが可能となる。そこに管理栄養士・栄養士が介入する必要性が充分あると言える。