【農林水産省】年末年始の牛乳消費拡大施策「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」始動
2021/12/24
ニュースのポイント
- 農林水産省が「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」を始動
- 今年の年末年始は例年以上に牛乳の消費落ち込みが懸念される状況
- 昨年の「プラスワンプロジェクト」成功を受けて、牛乳の消費拡大を推進
例年気温の下がる冬には牛乳の消費が落ち込む傾向にあるが、今年の年末年始は特に厳しい状況であることを受けて、農林水産省は牛乳の消費拡大を推進する「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」を開始した。
需要は減っても、乳牛の病気を防ぐために搾乳は毎日行う必要がある。工業製品ではない生乳は生産量をコントロールすることが難しい。例年、需要が落ち込む冬には、乳業メーカーがバターやチーズへの製造を行うなど、行き場のない生乳が発生しないような取り組みはしてきた。しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、お土産需要をはじめとする牛乳・乳製品への需要回復が追いついていない。このような背景により、今年の年末年始は例年以上の需要緩和が予測され、処理不可能な生乳の発生が懸念される。
牛乳の消費落ち込みの状況は、緊急事態宣言の発出に伴う学校の一斉休校やカフェなどの営業自粛により消費が落ち込んだ昨年にも見られた。昨年は「プラスワンプロジェクト」を実施し、牛乳をいつもよりもう1杯、もう1本消費するよう促した。これにより処理不可能乳の発生回避につながった実績がある。
そこで今年の年末年始は「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」を始動し、吉本芸人と農林水産省牛乳乳製品課職員とのコラボや、牛乳を使った和食「乳和食」の推進などを発信している。
また、令和3年12月21日に行われた岸田内閣総理大臣記者会見においても、新型コロナウイルスによる直接的な影響以外にも、ガソリン価格の高騰、軽石や赤潮による被害、米価下落など、国民生活に大きな影響を与えていることを挙げ、生乳の需要減少が大きな問題になっていることに触れている。会見で総理の口から「生乳の大量廃棄を防ぐため、特に需要が減少する年末年始に、牛乳をいつもより1杯多く飲んでいただく、料理に乳製品を活用いただくなど、国民の皆さんの御協力をお願いいたします。」との発言もあった。
当然ながら牛乳・乳製品にアレルギーを持つ方への協力を勧めるものではなく、また食べ過ぎには注意が必要ではある。牛乳は栄養面に優れている点からも管理栄養士・栄養士が摂取を推奨する場面の多い食品である。日頃からの活動の延長として、酪農家の方々の生産努力を無駄にしないような取り組みに協力していきたいものである。
■年末年始の牛乳消費拡大に向けて「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」開始!を見る(農林水産省)
■「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」プレスリリースを見る(農林水産省)
■令和3年12月21日岸田内閣総理大臣記者会見を見る(総理官邸)