【厚生労働省】第2期循環器病対策推進基本計画について
2023/03/30
ニュースのポイント
- 「循環器病対策推進基本計画」の変更について閣議決定
- 基本計画の実行期間は2023 年度から2028年度までの6年間が目安
- 全体目標「2040年までに3年以上の健康寿命の延伸及び循環器病の年齢調整死亡率の減少」に向けた個別施策が提示された
政府は2023年3月28日、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」に基づき策定された「循環器病対策推進基本計画」の変更について、閣議決定した。
脳卒中、心臓病その他の循環器病は日本の主要な死亡原因であり、国民の生命や健康に重大な影響を及ぼす疾患であるとともに、社会全体にも大きな影響を与える疾患である。健康寿命の延伸等を図り、医療及び介護に係る負担の軽減に資するため、予防や医療及び福祉に係るサービスの在り方を含めた幅広い循環器病対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が2019年12月に施行された。
これを踏まえ、「第1期循環器病対策推進基本計画」が2020年10月に策定。都道府県においても、都道府県循環器病対策推進計画の策定が進められた 。今回策定された第2期基本計画は、2023年度から2028年度までの6年間を実行期間の目安としている。
基本計画の全体目標は「2040年までに3年以上の健康寿命の延伸及び循環器病の年齢調整死亡率の減少」である。本目標達成のため、「循環器病の予防や正しい知識の普及啓発」「保健、医療及び福祉に係るサービスの提供体制の充実」「循環器病の研究推進」の3つの個別施策が実施される。また、これらの実施にあたり、循環器病対策全体の基盤の整備として、診療情報の収集・提供体制を整備し、循環器病の実態解明を目指すとされている。
「循環器病の予防や正しい知識の普及啓発」において取り組むべき施策として、生活習慣や社会環境の改善、治療を通じた循環器病の主要な危険因子となる疾病の発症や重症化予防の推進、その一環として食育の実施や、子どもの頃からの循環器病に関する知識の普及啓発推進が挙げられている。
また、スマート・ライフ・プロジェクト等、企業・団体・自治体と協力・連携しながら健康知識の普及啓発を図るとともに、国民の健康づくりの意識を高めるための取組を推進。さらに、食塩の過剰摂取への対策として「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」の活動を通じ、健康に関心の薄い層を含め誰もが自然に減塩できる食品の開発や広報活動等を推進するとされている。
循環器病患者を中心とした包括的な支援体制を構築するため、医療従事者の多職種連携は欠かせないものであり、管理栄養士 ・栄養士も例外ではない。本計画においては、各所に栄養に関する事項が記載されているので、確認されたい。