【農林水産省】「令和4年度食料自給率・食料自給力指標」および「令和4年度食料需給表」を公表
2023/08/07
ニュースのポイント
- 「令和4年度食料自給率・食料自給力指標」を農林水産省が公表
- カロリーベース食料自給率は前年度同様の38%、生産額ベース食料自給率は、前年度より5ポイント低い58%
- 食料自給力指標は、米・小麦中心の作付けでは推定エネルギー必要量を下回る値
2023年8月7日(月)に農林水産省より「令和4年度食料自給率・食料自給力指標」が公表された。また、同時に「令和4年度食料需給表が公表された。
食料自給率は、国内の食料供給に対する食料の国内生産の割合を示す指標として、日本における食料の国内生産および消費の動向を把握することを目的に、毎年公表されている。
2022年度(令和4年度)のカロリーベース食料自給率は、前年度同様の38%となった。これは、前年豊作だった小麦が平年並みの単収へ減少(作付面積は増加)、魚介類の生産量が減少した一方で、原料の多くを輸入に頼る油脂類の消費減少等によるものである。また、飼料自給率を反映しない指標であるカロリーベース食料国産率についても、前年度同様の47%となった。さらに、飼料自給率も前年度と同じ26%となっている。
一方で、生産額ベース食料自給率は、前年度より5ポイント低い58%となった。また、飼料自給率を反映しない指標である生産額ベース食料国産率についても、前年度より4ポイント低い65%となった。これは、輸入された食料の量は前年度と同程度であったが、国際的な穀物価格や飼料・肥料・燃油等の生産資材価格の上昇、物流費の高騰、円安等を背景に、総じて輸入価格が上昇し、輸入額が増加したことが要因となっている。
食料自給力指標とは、国内生産のみでどれだけの食料を最大限生産することが可能かを試算した指標であり、日本における食料の潜在生産能力の動向を把握するため、2015年から公表されている。
2022年度(令和4年度)の食料自給力指標は、米・小麦中心の作付けについては、前年度より26kcal/人・日下回る、1,720kcal/人・日となっている。これは、農地面積の減少、魚介類の生産量減少、小麦の単収減少等によるものである。また、いも類中心の作付けについては、前年度を53kcal/人・日下回る、2,368kcal/人・日となっている。これは、労働力の減少、農地面積の減少、魚介類の生産量減少等によるものである。前年度同様に、いも類中心の作付けでは、推定エネルギー必要量(2,168kcal/人・日)を上回るものの、米・小麦中心の作付けでは下回っている。
なお、農林水産省では2021年度(令和3年度)の都道府県別の食料自給率と食料国産率の試算も行っている。管理栄養士・栄養士はこれらのデータを参考に、日々の業務において地産地消や食品ロス削減の取り組みを推進することが求められている。
■令和4年度食料自給率・食料自給力指標について詳しく見る(農林水産省)
■令和4年度食料需給表を見る(農林水産省)