【厚生労働省】腎疾患対策検討会報告書に係る取組の中間評価と今後の取組を公表
2023/11/10
ニュースのポイント
- 「腎疾患対策検討会報告書(平成30年7月)に係る取組の中間評価と今後の取組について」を公表
- 腎臓病療養指導士等のCKDに関する基本的な知識を有する看護師/保健師、管理栄養士、薬剤師等のメディカルスタッフの育成・配置等を引き続き推進
- 多職種がチームで適切な療養支援を行うため、腎臓病療養指導士等のメディカルスタッフの更なる育成と、多職種による療養指導の標準化されたツールの普及
厚生労働省は、「腎疾患対策検討会報告書(平成30年7月)に係る取組の中間評価と今後の取組について」とりまとめを行った。
2018(平成30)年7月にまとめられた腎疾患対策検討会報告書において、「自覚症状に乏しい慢性腎臓病(CKD)を早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期から実施・継続することにより、CKD重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOLの維持向上を図る」という全体目標と、①普及啓発、②地域における医療提供体制の整備、③診療水準の向上、④人材育成及び⑤研究開発の推進という5つの個別目標が設定された。さらに、全体目標の達成すべき成果目標(KPI)、個別目標の課題、及びそれぞれの評価指標が示され、それらに沿って取組が行われてきた。
2023年度の腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会において、この5年間の対策による成果目標等の進捗や、更に推進すべき事項等について議論を行い、腎疾患対策検討会報告書に係る取組の中間評価と今後の取組をとりまとめている。
<現状及び中間評価の概要>
・「2028年までに、年間新規透析導入患者数を35,000人以下に減少させる」を達成すべき成果目標としているが、2021年の年間新規透析導入患者数は40,511人と、2018年からほぼ横ばいで推移。新規透析導入の原因疾患については、高血圧等の生活習慣病(NCDs)が主要因とされている腎硬化症の割合が増加傾向。
・腎疾患対策検討会報告書に基づき、2人主治医制やCKDの早期発見に関する啓発活動、各都道府県の腎疾患対策の強化、腎臓病療養指導士制度の運用などが進められてきた。
・一方で、慢性腎臓病(CKD)の認知度が低い、医療機関間の連携不足、一部の評価指標の把握が困難であること等が課題。
・5つの個別施策(①普及啓発、②地域における医療提供体制の整備、③診療水準の向上、④人材育成、⑤研究開発の推進)について、更に推進すべき主な事項があげられている。
今後、関連学会等は、日本腎臓病協会等が設置する都道府県連携の会等と協力し、各地域で研修会等を実施することで、腎臓専門医が少ないエリアにおいても腎臓病療養指導士等のCKDに関する基本的な知識を有する看護師/保健師、管理栄養士、薬剤師等のメディカルスタッフの育成・配置等を引き続き推進すること、慢性腎臓病(CKD)患者に対し、多職種がチームで適切な療養支援を行うため、腎臓病療養指導士等のメディカルスタッフの更なる育成と、多職種による療養指導の標準化されたツールの普及等を行うとしている。
詳細は、「腎疾患対策検討会報告書(平成30年7月)に係る取組の中間評価と今後の取組について」を確認されたい。