【消費者庁】「我が国における包装前面栄養表示の検討の方向性」について
2024/04/09
ニュースのポイント
- 栄養成分表示の表示場所は容器包装の裏面とされることが一般的
- 我が国の包装前面栄養表示の在り方等を検討するため、「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」が開催
- 『我が国における包装前面栄養表示の検討の方向性』がまとめられた
2015年から容器包装に入れられた一般用加工食品及び一般用添加物には、食品表示基準に基づき、栄養成分の量及び熱量の表示(栄養成分表示)が義務付けられている。その一方で、食品表示については、食品表示基準において容器包装の見やすい箇所に行うこととされているが、実際の栄養成分表示の表示場所は容器包装の裏面とされることが一般的である。
諸外国では、栄養成分表示の見にくさや分かりづらさを補足する取組として包装前面栄養表示が導入されており、2021年11月のコーデックス委員会において、包装前面栄養表示ガイドラインが採択された。国内でも自主的な取組として包装前面栄養表示を採用する食品関連事業者が存在する。
他方、2023年に健康日本 21(第三次)が公表され、今後、健康・栄養政策において、健康的で持続可能な食環境づくりの推進が図られる。これを好機として、食品表示行政としても、栄養成分表示等を通して、消費者の健康の維持・増進に資する食環境づくりを後押しすべきタイミングを迎えている。消費者庁ではこのような状況をふまえ、我が国の包装前面栄養表示の在り方等を検討するため、「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」を開催。2024年3月29日(金)に検討回でまとめられた『我が国における包装前面栄養表示の検討の方向性』が公表された。
『我が国における包装前面栄養表示の検討の方向性』では、3つの点で方向性がまとめられた。
1:我が国の健康・栄養政策との整合を踏まえた上で、包装全面栄養表示として取り組むべき栄養課題
2:消費者がふだんの食生活において栄養成分表示が利活用しやすくするために効果的な方策
3:消費者への取組であることを優先しつつも、「健康的で持続可能な食環境づくり」の推進の観点から食品関連事業者の実行可能性が担保される方策(導入に向けて検討する際の主な検討課題)
2においては、栄養素等基準値や表示単位の見直しが盛り込まれた。詳細については、以下URLより確認を。
「令和4年度食品表示に関する消費者意向調査」では、食品に栄養成分表示がされていることを知っている者の割合は約7割にとどまり、また、知っていると回答した者の中で、普段の食生活で栄養成分表示を参考にしていない者の割合は約4割に上がっており消費者が栄養成分表示を一層利活用しやすくする取組が求められている。管理栄養士・栄養士は食品表示について正しく理解し、消費者へ一層の情報提供に努められたい。