生涯教育制度の全体図
生涯教育制度のポイント
1. 生涯職能開発(CPD)
管理栄養士・栄養士は科学の進歩と社会の変化に的確に対応するために、常にスキルの向上を図り、専門職としての能力の習熟が求められます。そこで、キャリアを支援できる制度とするために、生涯職能開発(CPD:continuous professional development)の考え方を取り入れた生涯教育制度を検討しました。目的は、「単位」や「認定」の取得にあるのではなく、管理栄養士・ 栄養士として国民のために役立てる能力を身に付けることです。
2. 自己研鑽
生涯教育では、自己研鑽を重視しています。自身の評価を行い、到達目標を決定して研修計画(Plan)を各自で作成し、実践(Do)、評価(Check)、改善・見直し(Act)を繰り返すことにより、スキルの向上を目指します。このPDCAサイクルで研鑽を積み、「知識・技術・倫理の面で信頼できる専門職」であるとの社会的評価を得ることが重要となります。
3. 生涯教育の構成
生涯教育は、「栄養の指導」の専門職として各領域で必須とされるスキルを修得する基幹教育と、専門とする分野ごとにさらにその専門性を高める拡充教育があります。
基幹教育は、専門知識・技術の修得と実践力を付け、さまざまな状況の対象者一人ひとりに応じた適切な「栄養の指導」ができることを目指し、基本研修と実務研修に分かれます。
基本研修では、管理栄養士・栄養士としてのミニマ厶スタンダードを身に付け、実務研修では、専門とする分野に特化される知識と技術を習得します。
拡充教育は、専門領域の特定の分野におけるさらに高度で詳細な専門知識・技術、学術(教育・研究スキル)を向上させるものとして位置づけています。特定分野の研修とマネジメントリーダー研修、専門研修があります。
3つの認定制度
認定制度の全体図
1. 認定管理栄養士、認定栄養士 認定制度
生涯教育の単位制度を基本に、キャリアを支援するためスキルの到達度に応じた認定制度を設けました。 認定には期間を設け、スキルの向上と質の担保を図ります。
認定管理栄養士、認定栄養士 認定制度について詳しく見る2. 特定分野別 認定制度
現在、5つの特定分野において、特定分野管理栄養士として認定しています。特定分野管理栄養士は、その領域の特定分野における実践活動により優れた成果を生むことができると同時に、自ら必要とするスキルを認識し、常にその資質向上に向けた研鑽を行うことができると、日本栄養士会が認めるものです。
- 特定保健指導の分野
- 特定保健指導担当管理栄養士
- 静脈経腸栄養管理の分野
- 静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
- 在宅訪問栄養食事指導の分野
- 在宅訪問管理栄養士
- スポーツ栄養の分野
- 公認スポーツ栄養士
- 食物アレルギーの分野
- 食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士
- 小児栄養の分野
- 小児栄養分野管理栄養士・栄養士
3. 専門分野別 認定制度
日本栄養士会では、平成25(2013)年度より厚生労働省の委託を受け、管理栄養士専門分野別人材育成事業を進めています。本事業では、より卓越した技術・知識を修得し、より複雑で解決困難な栄養の問題を有する個人や集団に応じた栄養管理を実施でき、その専門性を教育や研究スキルにも発揮できる管理栄養士を、専門管理栄養士として関連団体と共同して認定します。