現役医師芸人しゅんしゅんクリニックPさん登場!「人生100年時代の健康を支える栄養の力」を考える市民公開講座を開催
2026/08/07

特別講演「健康寿命と笑い」 しゅんしゅんクリニックP 氏
日本栄養士会は2016年に「栄養の日(8月4日)」、「栄養週間(8月1日〜8月7日)」を制定し、全ての人びとの健康の保持・増進の実現に向けて取組を行っています。2026年8月1日(土)に、「栄養の日・栄養週間 2026」の実施を記念した市民公開講座『「栄養の日・栄養週間 2026」市民公開講座~第47回健康づくり提唱のつどい~」を東京都内で開催しました。
本年のテーマは「人生100年時代の健康を支える、栄養の力」。日本では、少子高齢社会の一層の進展が予測される中、活力ある「人生100年時代」を迎えるために、健康寿命の更なる延伸が課題となっています。この課題解決を図るうえで、栄養・食生活は最も重要な要素の一つです。今回の市民公開講座では、日本人の栄養・食生活の課題から、人生100年時代に向けて、生涯を通じて健やかにいきいきと生きるための栄養・食生活のあり方を共に学ぶ場として、株式会社ヤクルト本社協賛により開催しました。
当日は、4つの講演を開催するとともに、株式会社ヤクルト本社により乳製品乳酸菌飲料の試飲や化粧品などの展示が行われ、来場者は熱心に展示を見る様子がありました。
人生100年時代、幸福感を感じるウェルビーイングを目指す
講演「人生100年時代を健やかに生きる栄養と食」 (公社)日本栄養士会 中村丁次会長
冒頭、塚原丘美副会長の開会あいさつにより、今回のテーマ「人生100年時代の健康を支える栄養の力」と、健康寿命の延伸には栄養・食生活が最も重要な要素の一つであることが語られ、200人を超える満席の会場はこれから始まる各講演への期待が高まりました。
市民公開講座、最初の演者として登壇したのは日本栄養士会 中村丁次会長でした。「人生100年時代を健やかに生きる栄養と食」と題した基調講演では、豊富な資料を示しながら、高齢者が健康で幸せな長寿を実現するための秘訣を栄養・食事の観点から語りました。
講演冒頭、WHOが2015年に公表した「高齢化と健康に関するワールド・レポート」を引用し、典型的な高齢者は存在しないこと、人口の高齢化による社会保障費の増加が予想されているものの、健康寿命が延伸すればそれほど高くならないこと、高齢者への支出を「投資」と考える必要があることを示しました。そして、健康寿命とは単に病気ではない状態ではなく、病気や障害があっても自立した生活を送り、幸福感を感じる状態、つまりウェルビーイングを目指すことの重要性を解説しました。
また、高齢者の栄養・食事について、さまざまな研究結果をもとに高齢者が陥りやすい低栄養の問題を取り上げ、「60歳頃まではメタボリックシンドロームを予防する食生活が大切ですが、高齢者はやせすぎを防ぐフレイル対策にギアチェンジし、しっかり食べることが重要です。いつ、どのようにギアチェンジするかは個人差があるので、管理栄養士・栄養士にぜひ相談してください」と述べました。講演では、熱心にメモを取りながら聞き入る参加者が多く、健康意識と栄養・食事への関心の高さがうかがえました。
続く専門講演では「今日からできる、フレイル予防のための食事のヒント」と題し、東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長の本川佳子氏から、具体的なフレイル予防策が解説されました。
日本人の研究では、BMIが低く「やせ」の傾向にあるほど、フレイルのリスクが高まることが示されていることに触れ、10種類の食品群(肉類、魚介類、卵類、大豆・大豆製品、牛乳、緑黄色野菜、海藻類、いも類、果物類、油脂類)を、量ではなく食べる頻度で評価する指標を紹介。フレイル対策のための食生活介入ポイントとして「食品摂取の多様性を向上させる」とし、フレイル対策に重要なたんぱく質をしっかり摂取するために朝食に卵や牛乳を足す、冷凍野菜や缶詰の活用の推奨等、すぐに日常に取り入れられる工夫が紹介されました。
また、かむ力の弱い人は炭水化物に偏る傾向があり、肉や緑黄色野菜を避ける傾向があることが研究で分かってきたことや、口腔機能のセルフチェック法を述べ、人生の最終段階まで豊かに生きるために、「しっかりかんで、多様な食品を食べる」ことの重要性を強く訴える講演となりました。
「腸を起点に読み解く健康 ~乳酸菌の科学~」 株式会社ヤクルト本社広報部学術編集課上級主査 有馬直美 氏
また、休憩をはさみ、株式会社ヤクルト本社広報部学術編集課上級主査の有馬直美氏による講演「腸を起点に読み解く健康 ~乳酸菌の科学~」が行われました。
腸や腸内細菌の働きをはじめ、腸が生体防御の最前線であることや、脳と腸が相互に影響しあう脳腸相関などについて解説しました。また、「乳酸菌 シロタ株」に関する研究成果についての紹介があり、来場者は熱心に耳を傾ける様子がうかがえました。
医師で芸人! しゅんしゅんクリニックPさんが登場
最後のプログラム、特別講演「健康寿命と笑い」では、しゅんしゅんクリニックP氏が登壇し、群馬大学医学部卒業の現役の医師でありながら、吉本興業に所属する氏が、医師あるあるを歌うネタ「ヘイヘイドクター」等を披露すると、会場は大爆笑。
笑いを巻き起こした後は一転して医師の顔となり、健康寿命の重要性、高血圧の怖さ、自身も実践して痛感したという減塩の難しさ、医療現場で現在も働く医師として管理栄養士・栄養士による栄養食事指導の重要性を話しました。

特別講演「健康寿命と笑い」 しゅんしゅんクリニックPさんのかけ声にあわせて体を動かす参加者
また、笑いの医学的効果として死亡・心疾患リスクの低下、友人等の他者と一緒に笑う場面を2場面以上持っている人は、1人で笑うだけの人に比べて要介護認定リスクが30%以上低下すること、70歳で芸人養成所(NSC)に入った女性芸人の「おばあちゃん」(芸名)とユニットを組んでの活動と、活動をとおして生き生きと若返っていく「おばあちゃん」の変化についての話は、医師であり芸人である氏ならではの説得力がありました。
閉会のあいさつに立った加藤すみ子副会長は、管理栄養士・栄養士は、すべての人々を健康に幸せにすることを目指して活動していること、身近な相談窓口として栄養ケア・ステーションが全国規模で増えており、食事や栄養の悩みがあれば気軽に専門家へ相談してほしいと呼びかけ、締めくくりました。
喜びにあふれた「8月4日は栄養の日」コンテスト表彰式
本講座では、「栄養の日・栄養週間 2026」で開催した「8月4日は栄養の日」コンテスト表彰式も行われました。川柳と写真の2部門の応募総数6,949点(川柳6,709点、写真240点)の中から各部(一般の部、管理栄養士・栄養士の部、管理栄養士・栄養士養成校学生の部)の受賞26作品の発表がありました。当日来場された4名の受賞者が登壇し、日本栄養士会 中村丁次代表理事会長から賞状と記念品が授与されました。受賞者が入賞作を記したフリップを手に、作品に託した想いを述べる姿からは喜びがあふれ、会場は温かい雰囲気に包まれました。
■「8月4日は栄養の日」コンテスト川柳部門の結果発表はこちら
■「8月4日は栄養の日」コンテスト写真部門の結果発表はこちら



