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管理栄養士・栄養士として働く方のための就職ガイド

管理栄養士・栄養士を必要とする職場は、全国各地、さまざまな領域にあります。ここでは、管理栄養士・栄養士の資格を持つ方が自分に合った分野を見つけて、そこで働くまでを応援します。

管理栄養士・栄養士の仕事の内容や環境は、職場によって異なります。平均年収は、厚生労働省の「平成24年度賃金構造基本統計調査」によると、管理栄養士は約400万円、栄養士は約350万円とされます。就職してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、自分の希望と照らし合わせて、仕事内容をチェックしておきましょう。

医療

チームの一員として医療に貢献する

病院や診療所に勤務して、入院患者や通院中の患者一人ひとりの病状に合わせた栄養管理や栄養指導を担います。最近では、栄養サポートチーム(Nutrition Support Team; NST )などの医療チームを構成する病院が増え、医師・看護師・薬剤師・理学療法士などの専門職と連携して、外科手術後の患者や、低栄養の患者などに対し、高度な栄養管理を行います。そのため、常に進歩する医療の知識や技術を学び続けることが必要です。また、病院の収入となる診療報酬は、管理栄養士の資格がなければ算定できません。病院内での栄養管理、栄養指導を行う管理栄養士は、病院の収益にもかかわる重要な役割を担っています。業務の分担としては、主に管理栄養士が栄養管理や栄養食事指導を、栄養士はフードサービスを担っています。

学校

成長期に必要な適切な食事と
栄養に関する知識を提供

小中学校や学校給食センターなどに勤務して、子どもたちの成長に必要な栄養計算を施した給食の献立作成や、食材の選定や購入、調理場の衛生管理など、栄養の管理を担当します。学校には、学校栄養職員と栄養教諭がいます。学校栄養職員は管理栄養士または栄養士の資格があればなることができるのに対し、栄養教諭は管理栄養士または栄養士の資格のほかに「栄養教諭」の免許が必要です。栄養教諭は栄養管理に加えて、学校における食育の計画、地域人材の活用、個別指導などの役割も担います。

スポーツ栄養

アスリートやスポーツ愛好家に栄養のアドバイスを

アスリートに対して、スポーツ栄養学の知識をもとに選手の身体づくり、理想のコンディションづくり、けが予防などを総合的に考え、トレーニングに合わせたトータルな栄養補給法を提案します。選手への食事の自己管理法の教育、監督やコーチなどとの連携も必要です。また、一般のスポーツ愛好家やスポーツをする子どもたちとその保護者に、体力強化や健康づくりのための栄養・食事のアドバイスを行います。

学生・勤労者福利厚生施設

働く人の健康づくりをサポート

社員食堂や社員寮、大学の食堂などに勤務して、勤労者や大学生の健康のために給食管理や栄養管理を行います。社員食堂では若手からベテランまで対象者の年齢層が幅広く、生活習慣病の人や生活習慣病予備群、やせすぎなど、個人の抱える問題もさまざまです。対象者が必要とする正しい栄養情報の提供も重要な仕事です。

行政

乳幼児から高齢者まで地域住民の健康づくり

都道府県や市町村などの地方自治体、保健所や市町村保健センターなどに勤務し、都道府県や市町村の健康政策を企画・立案したり、その政策に基づいて、地域住民の健康づくりのための調査やイベントを実施したりします。乳幼児から高齢者まで、全ての年代の健康教育、栄養相談、そして、食環境整備などの公衆栄養を担います。

地域活動

地域により密着して健康問題を解決

個人事業主や栄養ケア・ステーションの一員として、地域住民のニーズに応じて仕事をします。たとえば、自宅で介護を受けている高齢者とその家族に対して嚥下しやすい食事の調理法や適量のアドバイスをしたり、母親向けに離乳食の講座を企画したり、市町村などの保健事業の依頼を受けて料理教室を開催したりするなど、仕事内容は多種多様です。ある程度の職場経験をした上で、その経験を生かして独立し、地域で活動するケースが多くあります。

福祉施設(高齢者・障がい者)

身体の機能に合わせた適切な食事を提供

介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、障がい者(児)施設などに勤務し、施設入所あるいは地域で生活する高齢者・障がい者(児)が、その人らしい日常生活を営めるよう栄養管理を行い、身体の機能に合わせた適切な食事を提供します。食べる意欲を引き出すために、季節感やイベント性を取り入れた食事提供も必要です。医師・歯科医師・看護師・介護職員・リハビリ職員らと連携し、家族と共にチームで高齢者・障がい者(児)の健康を支えます。

福祉施設(児童)

子どもたちの食と健康の土台を築く

児童養護施設や保育園など児童福祉施設に勤務し、0歳から18歳までの子どもたちへ、食事アセスメントに基づいた食事計画、食育計画を作成し、一人ひとりの子どもに応じた安心安全な食事の提供と栄養管理を行います。子どもたちが食に対する興味や関心を高め、自立した正しい食生活が送れるように、保護者・保育士・医師・看護師や地域と連携することも重要です。

研究・教育機関

管理栄養士・栄養士の養成、栄養に関する研究および地域貢献

管理栄養士・栄養士の養成施設(大学、短期大学、専門学校)、研究機関、企業等に勤務しています。養成施設では教員として管理栄養士・栄養士の育成を、研究機関では主に食と保健・医療・福祉・介護・スポーツ等に関する研究を、企業では商品開発などを行います。また、関連機関(国・地域・学外施設等)との連携による地域への貢献活動も特徴です。

就職先選びのポイント

  1. 大企業や大病院が必ずしもあなたに合っているとは限りません。規模が小さな職場でも、職員の気持ちがまとまっていて熱気があるなどの特徴があります。あなたにとって、やりがいのある職場を探しましょう。
  2. 管理栄養士・栄養士の資格は生涯にわたり使用できる資格です。妊娠・出産・子育てなどと両立できる、また再就職が可能な職場はおすすめです。
  3. 経験を重ねるほど、栄養や食の知識や技術が身に付き、資格は生きてきます。目先にとらわれず、将来を考えて職場を選びましょう。

平成30年度養成校卒業者の就職状況

栄養士業務の就職者数のうち、管理栄養士養成施設卒業では、病院、勤労者福利厚生施設への就職が約半数を、栄養士養成施設卒業では、病院、児童福祉施設、介護保険施設、産業給食施設への就職が約8割を占めています。
就業の分野が広いことがうかがえます。

管理栄養士養成課程卒業

栄養士養成課程卒業

平成30年度調査に基づく管理栄養士課程と栄養士課程別の就職者の職域別内訳
(一般社団法人 全国栄養士養成施設協会「平成30年度管理栄養士及び栄養士課程卒業生の就職実態調査」より作成。不許複製・禁無断転載。)

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