【厚生労働省】地域高齢者向け配食事業の栄養管理ガイドラインを発表!
2017/04/05
ニュースのポイント
- 地域の高齢者に適切な栄養管理をしていくための配食事業のガイドライン
- 献立作成、配食注文時アセスメント、継続時フォローアップは管理栄養士・栄養士が担う
- 栄養ケア・ステーションなどの外部の管理栄養士・栄養士も担当(監修)可能
厚生労働省は「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」を発表した。配食については、平成28(2016)年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において「配食を利用する高齢者等が適切な栄養管理を行えるよう、事業者向けのガイドラインを作成し、2017年度からそれに即した配食の普及を図る。」と示されており、このガイドラインは同年7月から平成29(2017)年3月まで開催された配食事業の栄養管理の在り方を考える検討会での話し合いを踏まえたもの。日本栄養士会からは迫専務理事が検討会に参加してきた。
地域で暮らす高齢者のなかには、個人差はあるものの「1回の食事で多くの量を食べられない」、「咀嚼機能等が低下し、食べにくい食品群がある」、「薄味にするとなかなか箸が進まない」などの問題を抱える人もおり、また、買い物や調理が困難なケースも少なくないことから、適切な栄養管理体制があり地域高齢者の健康を支援する配食事業者の増加が期待されてきた。
そこでガイドラインでは、栄養管理が適切に行われるために、献立作成については「当該技能を十分に有する者が担当する」と明記され、継続的な提供食数がおおむね1回100食以上または1日250食以上(その一部に栄養素等調整食、物性調整食を含む)の事業者では、管理栄養士または栄養士(栄養ケア・ステーションなどの外部の管理栄養士または栄養士を含む)が担当(監修)することと示されている。また、摂食嚥下機能が低下した高齢者のための配食については万全な衛生管理体制の下で調理・提供を行う必要があるとし、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の現段階での最新版「嚥下調整食分類2013」でコード2から4までの取扱いがあると望ましいと記されている。
配食注文時のアセスメントおよび継続時のフォローアップも重視されており、利用する高齢者に適切な食種の選択の支援を行う観点から、管理栄養士または栄養士が担当することが望ましく、または他の専門職が聴取した基本情報などをもとに管理栄養士または栄養士が食種を判断することも差し支えないと明記。ガイドラインの巻末には、「配食注文時のアセスメント及び継続時のフォローアップにおける確認項目例」として必須項目と推奨項目の一覧もある。全国で普及・拡大していく配食事業に対して管理栄養士・栄養士は重要なポジションを占めることから、依頼を受ける以前からこのガイドラインにはぜひ目を通しておきたい。
地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン(厚生労働省)
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