【農林水産省】普及啓発資料「みんなの食育白書-平成29年度-」を公表
2018/10/22
ニュースのポイント
- 「平成29年度食育推進施策(食育白書)」の内容が気軽に読める普及啓発資料が公表
- わかりやすい表現とカラー印刷のため、一般の方に向けた資料として活用できる
- 食育白書と連動しているため、食育活動の事前に必ず原本にもあたっておくこと
農林水産省は、今年5月にまとめた平成29年度「食育白書」の普及啓発資料として、「みんなの食育白書-平成29年度-」を発行した。わかりやすい文章とカラフルな色使いの図表で構成されているため、一般の方に向けた啓発資料として活用できそうだ。
食育とは、「様々な経験を通じて、『食』に関する知識と『食』を選択する力を修得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるものです」という解説から始まり、さらに詳しく知りたい、理解したい際には平成29年度「食育白書」の何ページを参考にすればよいかが、それぞれの項目で記載されている。
たとえば、食育推進施策の中で基本的方針の1つである「多様な暮らしに対応した食育の推進~食卓を囲み食事を共にすることから始める食育の環~」について、「みんなの食育白書」では孤食の人の割合の増加と共食のメリットをわかりやすく解説している。
共食の頻度が高い人は①心の健康状態について「気が散る・根気がないなどの精神的な自覚症状が少ない」、②食生活について「ファストフードの利用が少ない」、「野菜や果物など健康的な食品の摂取頻度が高い」といった傾向があると簡潔に箇条書きになっており、さらに、「孤食の状況別 主食・主菜・副菜を3つそろえて食べる頻度」のカラーグラフが示され、毎日共食している人(ほとんど孤食がない人)は、孤食が週2日以上の人に比べて食事のバランスが良い傾向であることが理解しやすい。
孤食をできるだけ少なくして共食する機会を作っている複数の事例がコラムで紹介されているため、高齢者が仲間たちと食卓を囲むサロン活動や子ども食堂など、各地域で住民や他職種、ボランティア等とこれらを企画し、実施する際の共有資料として役立つ。
また、家庭での食育の推進については、朝食摂取と学力、体力の関係がグラフ化されており、保護者に朝食摂取の重要性を説明する際の資料として使うことも可能。
巻末には、参考ウェブサイトと平成29年度「食育白書」の本文ページに誘導できるQRコードも記載されている。管理栄養士・栄養士は、食育活動で「みんなの食育白書」を活用する前に、必ず原本である平成29年度「食育白書」にもあたっておきたい。