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管理栄養士・栄養士とは

管理栄養士・栄養士って?

管理栄養士も、栄養士も、その仕事の内容や、それになるための要件が、栄養士法という法律に定められた国家資格です。国は、免許を与える事務を、管理栄養士については厚生労働大臣に、栄養士については都道府県知事に委ねています。
管理栄養士は病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や栄養管理を行います。栄養士は、主に健康な方を対象にして栄養指導や給食の管理を行います。
管理栄養士・栄養士は、医療施設、老人福祉施設、介護保険施設、児童福祉施設、小・中学校、行政機関、企業、管理栄養士・栄養士養成施設、試験研究機関等で働いています。乳幼児期から高齢期まであらゆるライフステージで、個人や集団に食事や栄養についてアドバイスをしたり、特定給食施設等で献立を立てて食事を提供したり、栄養状態の管理を行い、皆さんの健康を食と栄養の専門職としてサポートしています。

管理栄養士・栄養士になるには?

管理栄養士・栄養士になるには、高校卒業後、管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得して卒業することが必要です。これらの学校は、管理栄養士養成施設、栄養士養成施設と呼ばれ、全国に管理栄養士養成施設は137校、栄養士養成施設は138校あります(2019年度現在、一般社団法人全国栄養士養成施設協会より)。
管理栄養士養成施設も、栄養士養成施設も、勉強する内容が多いことや実習があることなどから、夜間の学校や通信教育はありません。必ず昼間の学校に通う必要があります。

管理栄養士は国家試験の合格が必要、
栄養士は養成施設の卒業と同時になれます

栄養士は、栄養士養成施設で学び卒業することで、都道府県知事の免許を受けて「栄養士」になることができます。一方、管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学び、管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けて「管理栄養士」になることができます。また、栄養士養成施設で学んだ人も、卒業後に栄養士として働き*、管理栄養士国家試験に合格すれば「管理栄養士」になることができます。

* 養成施設での修業年数により、受験に必要な働く年数は異なります。

管理栄養士・栄養士の職場は?

管理栄養士・栄養士の仕事は、人びとが食べることの多くに関わっています。実際にどこで、どのように働いているのでしょうか? 各職場をのぞいてみましょう。

医療の現場

医療チームの一員として治療に貢献する

病院や診療所に勤務し、患者一人ひとりの病状に合わせて、病気の治療、再発防止、合併症の予防を目指して、患者への食事の提供や栄養の指導を通して栄養管理をします。医療チームの一員として医師や看護師、薬剤師などの医療職種と協力して働きます。医療における栄養の専門職としての高度な知識や技術が必要になります。

学校給食の現場

成長期に必要な適切な食事と栄養に関する知識を提供

小中学校(特別支援学校を含む)や夜間の定時制高校に勤務して、提供する学校給食の献立作成や成長期に必要な栄養素の計算をして、子どもたちに適切な給食を提供します。また、子どもたちへの食育のほか、食生活の改善や食物アレルギー・肥満・糖尿病などの個別的な指導を担当することもあります。

スポーツの現場

運動能力を高めるための食事をアドバイス

トップアスリートからスポーツ好きな人、スポーツをする子どもたちを対象に、運動能力を高めるための栄養や食事に関するアドバイスをしています。監督やコーチ、スポーツ団体などからのニーズも高く、栄養面からケガや疲労が起こりにくい身体づくりのサポートが求められています。

社員・学校食堂の現場

働く人、学ぶ人の健康づくりをサポート

社員食堂や社員寮、大学の食堂などに勤務して、献立を作成したり、栄養についての正しい情報を提供したり、働く人や学生の毎日の健康づくりをサポートします。対象が若い人からベテラン層まで年齢層の幅が広く、やせすぎや太りぎみなど、個人やそれぞれの集団の課題に合わせた対応が必要です。

行政の現場

乳幼児から高齢者まで、地域住民の健康づくりと栄養・食生活改善

都道府県庁・市町村、保健所・市町村保健センターなどに勤務し、地域における健康づくり政策の企画・立案や地域住民向けに健康づくりの講座を開催したり、栄養相談を担当したりしています。また、「食事バランスガイド」や「健康づくりのための身体活動基準2013」などの健康についての資料を活用して、地域住民にとって健康づくりがもっと身近なものとなるように普及することも役割の1つです。

地域活動の現場

地域に、より密着して健康問題を解決

地域住民の健康づくりを、地域に根づいてサポートしています。それぞれの地域で、病気や介護の必要な方への栄養指導や調理指導、健康な方を対象とした病気にならないための健康づくりのアドバイス、料理教室の講師など、仕事は多岐にわたります。病院や企業に勤務する働き方とは異なり、個人のライフスタイルに合わせて仕事を調整しやすいことが特徴です。

福祉(高齢者・障がい者)の現場

身体の機能に合わせた、食べやすい食事づくり

高齢者や障がいのある方を対象とした福祉施設(特別養護老人ホームや障がい者支援施設など)に勤務し、施設や地域で生活する高齢者や障がい者が自立して快適な生活を過ごすことができるよう、一人ひとりの生活状況、身体の状況に応じた食事の提供と栄養管理を行います。高齢者や障がいのある方は、身体の機能が低下することによって、食べ物が食べにくく、飲み込みづらいことがあるため、少ない量でも適切な栄養が摂れるように献立を工夫することも重要です。介護スタッフらと協力をして健康をサポートします。

福祉(児童)の現場

子どもたちの食と健康の土台を築く

児童養護施設や保育園に勤務し、0歳から小学校入学前の子どもたちの成長に必要な調乳や離乳食、幼児食を提供します。食物アレルギーのある子どもも少なくないため、適切な食事提供には保護者や保育士、医師、看護師との連携も必要です。また、小学校入学以降の子どもたちへ、食材や料理に対する興味や関心を高め、自立した正しい食生活ができるように食育を行うことも重要な仕事です。

研究・教育機関の現場

食に関するエビデンスづくりや未来の管理栄養士・栄養士の育成

国や大学、企業などの研究室に所属し、食に関する研究や管理栄養士・栄養士の養成を行っています。地道な調査、実験が新しい発見を生み出し、企業では食品研究が健康に役立つ商品開発につながります。食と健康に関する科学的根拠をつくり社会に発信すること、未来の管理栄養士・栄養士を育成すること等国民の健康に直接に間接に寄与できる活動を行っています。

管理栄養士・栄養士として働く先輩へのインタビューを見る

管理栄養士・栄養士の現場について、ここでは、7つの職場の7人の先輩に登場してもらい、実際の職場の雰囲気やそこで管理栄養士・栄養士がするべきこと、そして、管理栄養士・栄養士を目指す方へのメッセージを、冊子と特別ページでご用意しました。理解を深めて、ぜひ、管理栄養士・栄養士の扉をたたいてください。

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